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■No.052 : 戦術力 (2009/01/16)

「やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめてやらねば 人は動かじ」

山本五十六氏の名言です。「やって見せ~~」は、米沢藩の城主で、
江戸時代の三名君の一人と言われた上杉 鷹山
「してみせて 言って聞かせて させてみる」の言葉を引用したと聞いております。
上杉鷹山は、上に立つ人は、部下に納得させて仕事をさせるには、
どのようなことが必要かを説いたのであると思います。
山本五十六の言葉も同じ意味だと思いますが、付け加えたのが
「ほめてやらねば人は動かじ」という一言です。
すごい、言葉ですね。

現在、百年に一度の不況と言われていますが、この不況は周知の通り人災です。
人を育てることを忘れ、目先の利益にとらわれたことから生まれたのです。

M&Aや会社売却をした場合、今や一つの事業体に二つのビジネスモデルが存在することを理解しなければなりません。 一つは、会社の企業価値を評価するコーポレイトファイナンス的な見方、
もう一つは本業で内部留保を上げていく事業プラン、という二通りです。

経営者は当然、本業を基盤として内部留保を上げ、人を育て、
時には長い目で新しい事業の芽を育てなければなりません。
たたき上げの経営者で成功している人は、その流れを映画の脚本を書くように
ストーリーを描いているのかもしれません。
しかしながら、外部役員やM&Aをおこなうコンサルタントや一部のステークホルダーは、
短期的な企業資産しか見ていません。
残念ですが、彼らが指す戦略とは、目の前にある企業資産を中心とした戦略でしかないのです。
ですから、社内に具体的な指示は出せませんし、また出す必要性もありません。
非常に優秀な外部役員が入ることもあるのですが、
彼らは、社内のマニュアルすら目を通しません。

小売業であれば、実際に長年店舗作業をし、
企業文化も分かっているのはその会社の社員です。
店舗経験者は朝から晩までの一日の流れ、
数年間社員として勤務すれば、
1年のサイクルを十分に体で分かっています。
その十分理解している社員を重用せず、企業金融の知識だけしかない外部役員に「管理」を
おこなわせれば、矛盾が生じるのは当然でしょう。

戦略は絵をかければ良いですが、
戦術は、本質的に人に理解させて動かさなくては成功しないのです。

しかし外部からきた管理者は、残念ながら、具体的に指示をする知識も経験もないのです。

海軍・山本五十六の
「やってみせて 言って聞かせて させて見て ほめてやらねば 人は動かじ」
の表現が、仮に人を動かす本質であるのであれば、「やって見せ、言って聞かせて・・」
ができない外部役員に、戦術を組み合わせることができないのは、納得できます。

これからの不況下において、業態を変えたり、新しいものへの取り組みをしたりする企業は増えるとは思いますが、新しいことを踏み込む前に
「やってみせて 言って聞かせて させて見て ほめてやらねば 人は動かじ」
を管理者は、自分に問うてみれば、チャレンジできることが見えてくるのではないかと勝手ながら考えております。

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